ぶっとんだ、そして、人がどんどん死んでいくという作品が多い伊坂さんです。
伊坂さんのつい最近、文庫になった本をお借りしました。
火星に住むつもりかい?、伊坂幸太郎、光文社、 2018/4/12、文庫、(初版:2015.2)、6月
「住人が相互に監視し、密告する。危険人物とされた人間はギロチンにかけられる。交代制の”安全地区”と、そこに配置される”平和警察”。この制度が出来て以降、犯罪件数が減っているというが…。」
題名から宇宙の話しかと思ったら、とんでもない、日本のお話しです。
凶悪犯罪を減らす目的で、日本全国を毎年交代制で「安全地区」に指定、そして、魔女狩りのような住民同士の相互監視、と、拷問や処刑を行う「平和警察」の存在。
伊坂さんがこんな恐ろしい日本を作り出しました。
いつもながらの登場人物の多さ。
平和警察に対する反乱分子、黒スーツの正義の味方、個性的な捜査官、案内する刑事、いったい誰が主役やら。
無能だと思っていた人物が実は・・・・・。
そこらじゅうに散らばっていたピースが、終盤ピタッピタッとおさまってくれます。
そして、もう一回、最初から読み直しました。
無差別凶悪事件が報道されるたびに、怪しい人物をもっと社会で監視し、もっと強力な警察で事件を未然に防がなきゃと思う反面、「魔女狩り」と「平和警察」が横行する日本にはなってほしくないと思うばかりです。
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いままでに読んだ伊坂幸太郎さんの作品です。
ゴールデンスランバー、重力ピエロ、チルドレン、死神の精度、死神の浮力、アイネクライネナハトムジーク、グラスホッパー、オーデュボンの祈り、火星に住むつもりかい?