悪人

この本の著者の作品は、これまで読んだことがありませんでした。

たしか、数年前に、 妻夫木さんと深津絵里さんで映画化されていたと思います。見てはいませんが、妻夫木さんの金髪と、海外で賞を取ったときの授賞式での深津さんの濃いメイクだけは、よく覚えています。

「悪人」、吉田修一、2007.4、420p

「保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。加害者と被害者、それぞれの家族たち。」

Akunin

たぶん、くらいーーーい話だろうと読み始めたんですが、意外とさらっとしていて、一気に読みました。おもしろいです。

次から次へと男と女が登場します。その一人ひとりに物語があって・・・・。群像劇というんでしょうか。それが、終盤一気に、ふたりの男女に焦点が合います。

ほんとうの「悪人」というのは存在しないのでは、って思ってしまいます。切なくて、そして、これでよかったんだというラストです。

この本は傑作だと思います。