ゴールデンスランバー

去年、「重力ピエロ」を読みました。仙台の連続放火とDNAを絡めたおもしろいお話でした。ただ、設定にちょっと無理があるんじゃないかと・・・・。同じ作者の本をもう一冊読んでみたいと思いました。

たしか、以前に、堺雅人さんが懸命に走っている映画予告編を見たような気がします。

ゴールデンスランバー伊坂幸太郎、2007.11、503p

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「仙台で首相のパレードが行われている時、青柳は、旧友の森田から『おまえは、陥れられている。逃げろ』。首相暗殺の濡れ衣を着せられた男は、巨大な陰謀から逃げ切ることができるのか。」

おもしろすぎます。こんなにおもしろすぎる小説は初めてです。

前半の出来事、登場人物が、すべて、後半に絡んできます。すごいの一言です。

こういうのを、「伏線回収率100%」と言うんでしょう。

父さんは、何回も、前の章へ戻って、「そうだよなぁー」とかぶつぶつ言いながら読んでいました。映画だとこうはいきません、待ってくれないんで。

終盤は、けっこうご都合主義といえなくも無いですけど、勢いでラストまで突っ走ってしまいます。後半は、もう、読むのが止まらないです。

主人公の青柳雅春、旧友の森田森吾・小野一夫、元恋人の樋口晴子の4人の、学生時代の会話はほんとおもしろいです。

そして、そのまわりの、岩崎英二郎、轟社長、保土ヶ谷康志、凛香にキルオ・・・、魅力的な人物がいっぱいです。

でも、なんと言っても、主人公の父親です。犯人として追われている息子の無実を信じて、マイクを突き出す無神経なマスコミに向かって、「雅春、ちゃっちゃと逃げろ!」

こうなったら、徹底的に、逃げるしかないでしょう。

警察やマスコミがほんと怖くなりました。そして、世の中の事件の真実はもっと別にあるんじゃないかと・・・・。