ダーク

以前「OUT」をレンタルビデオで見ました。ラストの暗いシーンだけを覚えています。原作者が有名な方なんで、なにか他の本を読んでおこうと、まったく予備知識も無く選んだのが・・・・。

「ダーク」、桐野夏生(きりのなつお)、2002.10、519p

Dark

「40歳になったら死のうと思っている。死ぬと決めてからの私は、気持ちが楽になった。・・・」

なんとまぁ、暗く陰鬱な、そして、身勝手な人物ばかりが次から次へと登場する救いのない物語です。

読んでいる途中で、表紙の「・・・・MIRO’S 5・・・」という文字に気づきました。どうも、これは、女性調査員村野ミロを主人公にするシリーズものの第5作のようです。

それで、突飛にいろんな人物が現れる理由がわかりました。ただ、そうだからと言って、読みづらいことはありませんでした。

本が辞書みたいに分厚く重かったんですが、スラスラと。ジェットコースターのような展開です。まったく主人公に感情移入できず、ただ、別世界の連続活劇を読むような・・・・。

すべて読み終わってから、調べてみると、このシリーズが好きだった読者の皆さんの意見は、「今まで積み重ねてきた人物描写とあまりにも違いすぎて、気に入らない・・・・」という人もいれば、「・・・読者の期待をことごとく破壊し、裏切っているところがすごい・・・・」というように、好き嫌いが大きく分かれているみたいです。。

父さんは、前作の存在をまったく知らずに読んでしまったんですが、それがよかったのか、悪かったのか、・・・まったくわかりません。