プラチナデータ

去年の春に映画を見ました。原作はもちろん、他の作品も読んだことが無かったんですが、5月に「白夜行」を読んで、これはやはり、原作も読んでおかないと・・・・。

プラチナデータ」、東野圭吾、2010.6、431p

Puratina

「犯罪防止を目的としたDNA法案が国会で可決し、検挙率が飛躍的に上がるなか、連続殺人事件が発生した。DNA捜査システムの検索結果は『NOT FOUND』。時を同じくして、システムの開発者までが殺害される。」

映画もけっこう面白かったんですが、腑に落ちない点が多々ありました。原作を読んで、「あっ、そうだったんだぁー」と謎が解決しました。

そして、父さんとしては、映画より本は数倍面白いです。

よく、ベストセラーが映画化されると、映画にケチをつける原作ファンがいますが、その気持がほんとよくわかりました。

映画が致命的なのは、

・スズランが出てこない。神楽の心が変わっていく重要な人物なのに。神楽とスズランとの逃避行、そして、古びた教会での指輪の交換、ラスト近くのリュウがスズランの肖像画を描くシーン。一番好きな場面が、どれもこれも、映画はバッサリ。

・陶芸家が出てこない。神楽と自殺した父親との確執が解き明かされる重要人物なのに。ラストで神楽が陶芸家とかわす会話には「ホッ」とします。映画はバッサリ。

たぶん、上映時間の関係でしょう。でも、映画はしょうもない追いかけっこに時間を費やしすぎたんじゃないでしょうか。

ということで、本と映画は、やはり別物というふうに考えて、切り離して評価しなきゃいけないと思いました。