罪の轍

奥田英朗さんの「イン・ザ・プール」と「空中ブランコ」は、ほんとおもしろかった。コミカルで、ひとひねりあって。
この本は、「
吉展ちゃん事件」を描いているそうです。

罪の轍(わだち)、奥田英朗、新潮社、2019.8、20cm 587p、11月

Z_tumi

「落合刑事は、強盗殺人事件の捜査中に、子供たちからバカと呼ばれていた北国訛りの青年の噂を聞きつける―。」

分厚い。
あのコメディタッチの「インザプール」の作者とは思えない重苦しい出だし。
しかし、誘拐事件が起きてからは、次がどうなるか気になって気になって。
逆探知もできず、身代金の札番号も控えていないという信じられない警察の失態。その時代ではある程度やむをえなかったようですが。
モデルになった誘拐事件も、東京オリンピック前年、黒電話がめずらしいころに起きて、まったく、警察も誘拐事件への対処法がわからなかったようです。
奥田英朗さんの引き出しの多さを痛感しました。
他の本も読んでみたくなりました。
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奥田英朗(おくだ ひでお)さんの本で読んだものは下記です。
イン・ザ・プール空中ブランコ、罪の轍