騎士団長殺し(1・2)

これまで村上春樹さんの作品は、「1Q84」、「世界の終わりと・・・」、「羊をめぐる・・」、「ダンス・・」、「ねじまき鳥・・」、「海辺のカフカ」、「ノルウェイの森」、「色彩を持たない・・・・」、「アフターダーク」を読みました。

そして、「騎士団長殺し」は、売り出されたばかりで、図書館の予約もいまだに1,500名という長蛇の行列です。

ひまな父さんとしては、とりあえずは予約しておけば、何年かしたら順番は来るんですが、2冊なんで、同時予約枠6冊のうち、2冊を占領されると、目先読みたい本が読めません。

ということで、当分先とあきらめていたんですが・・・・・。

2冊あわせて1.1Kg。

両手に一冊ずつ持つと、ダンベル体操ができそうです。

騎士団長殺し 第1部 顕(あらわ)れるイデア編、村上春樹、新潮社、2017.2、20cm 507p、(530g、1800+α)

騎士団長殺し 第2部 遷(うつ)ろうメタファー編、村上春樹、新潮社、2017.2、20cm 541p、(560g、1800+α)

Kisidan

「その年の5月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた……それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕れるまでは・・・・。」

主人公の”私”(名前は最後まで出てきませんでした)の9ヶ月間の物語です。

ほぼ一人称で書かれています。

過去の村上さんの作品では、はじめは、まったく別の物語が並行して描かれることもあったんですが、これはほぼ時系列です。

ですので、比較的わかりやすいです。

結論としては、読みやすく、わかりやすく、心地よいおもしろさです。

読み進んで、残り頁が少なくなると、早く読み終えたい反面、もっと読み続けていたいという気持ちにもなります。

井戸の底、異世界につながる穴、夢の中での受胎、顔の無い男などなど、過去の作品でも現れたと思われる状況があり、なんか、総括編って印象を受けました。

で、最後は、なんとなく、”スッキリ”しました。

それじゃあ、謎は全部解けたかというと、そう簡単じゃなくて、最後まで読んだ後、もう一度プロローグに戻ると、なんのこっちゃら状態です。

でも、読みやすいけど、よくわかんないって言うのは、いつものことなんで・・・・。

上巻下巻とかじゃなくて、1部2部なんで、もしかしたら3部?って期待もするんですが、今回は、たぶん、それはないだろうって予想します。

3部が出たところで、謎はまったく解決せず、深まるばかりでしょうから・・・・。