横道世之介

「悪人」を読みました。ほんと面白かったです。

次に選んだのが、まったく傾向が違うだろうと手に取ったこれです。

横道世之介(よこみちよのすけ)、吉田修一、2009.9、423p

Yokomiti

「1987年、大学進学で上京した横道世之介。性格は人の頼みを断れないお人好し。まわりには、世間知らずな社長令嬢の与謝野祥子(しょうこ)、友人・倉持一平、憧れの女性・片瀬千春、女性に興味がない加藤雄介・・・・」

ひとりも「悪人」は出てきません。

不思議な本です。

なんでもない日常をたんたんと書いた話です。

でも、こんなに引き込まれるなんて。

どこか間の抜けた、お人好しな主人公が上京してからの1年間です。時折織り込まれる数十年後のシーン、大人になった登場人物が世之介を思い出すシーンが、世之介が魅力的だった事実を語ってくれます。

面白く、切なく、余韻の残る物語です。

魅力的な脇役の中でも、ぴかいちは、お嬢様の祥子ちゃんです。

祥子ちゃんが、世之介が残した封筒の中は見るシーンは・・・・・。

たしか、映画化もされてるみたいなんで、ひまがあったらレンタルしてこようかと思っています。

もう一冊くらい同じ作者の本を読んでみようと思っています。