小暮写眞館

火車」を読みました。引き込まれました。TVで「名もなき毒」と「ペテロの葬列」を見ました。作者の方は、現代ミステリー作家だと思っていました。でも、最近TV放映している時代劇ドラマの原作が同じ作者だと知って、いろんなジャンルの本を書いているんだなぁーって感心していました。

そして、今回は、下記の文庫本をお借りして読むことができました。

「小暮写眞館」(こぐれしゃしんかん)、 宮部みゆき

文庫本、上、2013.10 、435P、小暮写眞館 世界の縁側

文庫本、上、2013.10 、551P、カモメの名前 鉄路の春

(ハードカバー版は、 2010.5、716p)

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「家族とともに古い写眞館付き住居に引っ越ししてきた高校生の花菱英一。彼に、一枚の写真が持ち込まれる。それはあり得ない場所に女性の顔が浮かぶ心霊写真だった。」

ハードカバーで716頁という大長編です。宮部さんなんだからごっついミステリーなのかと思って読み始めたら、殺人などは起こりません。そして、めちゃくちゃ悪い人も登場しません。けっこうライトでさわやかな、青春ものって感じでスタートするので、びっくりです。

それにしても、主人公の高校生ハナ、両親、弟のピカ、友人のテンコとコゲパン、そして、垣本順子、魅力あふれる登場人物たちの、やりとりがとっても楽しいです。

4つの章に分かれています。ひとつひとつは話しは完結するんですが、でも登場人物たちの物語は続いていきます。長いけれど、飽きずに一気に読んでしまいました。宮部さんてこういうのも書くんだぁー、引き出しが多いなぁーって感心します。

最終章の、駅での突然の別れと、その後送られてくる電車の写真、ホッコリします。柿本さんには、ほんとうに幸せになってほしいと思いました。

最後でやっと、表紙の絵の意味がわかります。小湊鐵道の駅と電車です。友達のテッチャンの言葉、「・・・でもな鉄道にも、たったひとつだけ、どうしても乗せられないものがあるんだ。何だかわかるか?答えは駅だ・・・・・」。