有名な作家さんなんですが、一冊も読んだことがなく、とりあえずは、なにか読んでおこうということで選んだのが、
「告白」、湊(みなと) かなえ、2008.8、268p
「・・・『 愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。』、わが子を亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。」
第一章は、女性教師の語りから入ります。聞いている生徒たちの気持などはまったくわかりません。そして、教師の真意も。
第二章は級友の手紙、第三章は少年の姉が見た母の日記、といった具合に、ひとつの事件に関係する人たちの、語りだけで、物語は進んでいきます。
その事件が、まわりの人物によっては、まったく違った面を見せます。おのおのの視点からなんで、普通の人だと思っていた人物が、心の中に何かしらの闇を抱えていたりとか・・・・・。
ほんとうにすごいです。でも面白いという言葉では、なにか後ろめたさがあるというか、しかし、ドンドン本の中に引き込まれていきます。そして、最後まで読めば、女性教師のすさまじい復習劇だったということになるのですが・・・・。
よくぞ、こんな物語を考えたなぁーって感心してしまいます。けっこう無理な設定もあるように思えるんですが、一気に読んでしまいました。ぜひ、他の作品も読んでみたくなりました。