昨年、山崎豊子さんが亡くなりました。父さんは昔、「白い巨搭」と「不毛地帯」を読みました。もうひとつくらい読んでみようと選んだのが、下記です。
・沈まぬ太陽 1(アフリカ篇 上)、山崎豊子、1999.06、302p
・沈まぬ太陽 2(アフリカ篇 下)、山崎豊子、1999.06、357p
・沈まぬ太陽 3(御巣鷹山篇) 、山崎豊子、1999.07、374p
・沈まぬ太陽 4(会長室篇・上) 、山崎豊子、1999.08、379p
・沈まぬ太陽 5(会長室篇・下) 、山崎豊子、1999.09、315p
「会社が、一人の人間をここまで追いつめるとは…。華やかな航空会社の裏側に渦巻く、安全を忘れた野望の世界・・・・。」
あとがきで山崎さんが「「・・・・・、事実を取材して小説的に再構築した人間ドラマであり・・・」と書いておられます。
ということは、小説の中身のすべてが事実ではないと思います。そして、もしかしたら、偏った見方をされているかもしれません。
それにしても、それにしても、日の丸飛行機の航空会社をめぐる政官民の癒着した不正・腐敗は驚くべきものです。
読んでいる途中で、非常に腹立たしくなってきます。きっと、最後には悪いやつらに鉄槌が、という期待も、「特捜部の動き」というところのみでぼかされてしまいました。
現実の世界では、結局のところ、闇の部分はそのままだったということなんでしょう。
「白い巨搭」は面白かったです。「不毛地帯」を読んだときも、「沈まぬ太陽」と同じような感想を持ちました。
すごい取材内容です。その取材努力も。が、読み物としては・・・・・・・・。
ただ、あの飛行機事故のことを、この本のおかげで再確認し、そして、けっして日本人は忘れてはいけない事件だということを思いました。