70年以上前に作られた映画をまさか映画館で、また見ることができるとは。
父さんが見たのは、40年前。たしか、立川名画座で、「第三の男」「シェーン」との3本立だったと思います。
ザーザーと雨が降る(フィルムの傷です)画面でみたイングリッド・バーグマンは、それまで見た女優さんのなかで一番の美しさでした。
2014年の記念すべき一本目は、1942年製作(日本公開は1946年だそうです)の「カサブランカ」、1/8(水)、海老名TOHO、モノクロ・字幕、午前十時の映画祭なので1,000×ふたり、
ふるーーーい映画なのに、キズひとつありません。デジタルリマスターって方法なんでしょうか。
バーグマンは、やはりきれいでした。
そして、ハンフリー・ボガートは、渋くて、ニヒルで、かっこよくて。
40年前に見たときは、ただのメロドラマだと思いました。
いま、見返すと、なんと、政治色の強いお話し・・・。
映画が作られたのが1942年。ノルマンディー上陸作戦が1944年。
映画の内容は、アメリカ人の主人公が、ナチスドイツにさからって、愛する女性のために、フランスの抵抗運動指導者を助ける、というものです。
そりゃー古い映画なんで、最近のジェットコースタードラマと違って、展開がのんびりしています。
でも、そのぶん、あの名曲の「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」(時の過ぎゆくままに)をゆっくり聞きながら、ゆったりと、ボガードとバーグマンの顔を見つめていれば、100分なんて、あっと言うまです。
酒場の女:夕べはどこにいたの?
ボガート:そんな昔のことは忘れたさ
酒場の女:今夜は一緒にいてくれるんでしょ?
ボガート:そんな先のことは分からないよ
「君の瞳に乾杯」もそうなんですが、この映画の字幕の日本語訳は、ほんとキザというか、
こんなことを言っても許されるのは、たぶん、ボガートだけでしよう。